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第10回 マネジメントツールを使おう

マネジメントツール
がんばれ店長!スーパー店長への道も10回目を迎え、本格的なマネジメント活動になってきたものと考える。そこで今回と次回で、マネジメントと連動するマネジメントツールの目的を中心に説明してゆくことにしよう。
なかなかマネジメントツールが使いこなせなくて悩んでいる店長も多いと思う。確かにマネジメントツールを使いこなすのは面倒なことである。しかし、この面倒なことを当たり前に出来るようになってくると店長のマネジメントレベルも大きく向上してくる。大切なことは、この面倒なことを当たり前に出来るようになることである。
私の知っている多くの店長は、何時もいつも、いろいろなマネジメントツールを入れ替えてはいるが、そのほとんどは使い切っていない。
だから、勘で仕込みをしたり、発注をしたり、人揃えをしてしまうのである。
スーパー店長を目指すのであれば、勘も大切であるが、しっかりと数字を基にした仕事をするためにマネジメントツールを使いこなせるようにならなくてはならない。
そのためには、最初は簡単なレベルのマネジメントツールで十分である。
それも一つずつでいい。何度も言うが大切なことは、面倒なことが当たり前に出来るようになることである。これが出来るようになって、自分のマネジメントレベルに合わせてそのツールのレベルを高めてゆけばよいのである。
面倒なことが当たり前に出来るようになった時に、はじめて大きな変化が生まれてくることを忘れないでいただきたい。
それでは、一つひとつ説明してゆくことにしよう。



デイリー売上管理表
デイリー売上管理表とは、一日一日の数値を確認し、そして累計の数値を把握し、一ヶ月の予算を追うためのものである。
 
【デイリー売上管理表の3つのポイント

■Point 1.まずは日割りの予算(予測)比を把握する。

店長の仕事は、売上高(来客数)予測に基づいて、人と食材の準備をすることからスタートしている。これが店長の準備業である。
その売上高予測に対しての実績が、日割りの予算(予測)比になってくる。
当然であるが、この予算(予測)比はブレが少ないほうが良い。
ブレが少ないと言うことは、それだけ人と食材に対する準備が正確になってくると言うことである。この日割りの予算比を把握するとは、そんなブレを少しでも少なくするためのもので、現状のわが店の流れをつかむためでもある。

■Point2.累計の予算(予測)比を把握する
日割りの予算比の次は、累計での予算比を把握することである。累計の予算比を把握するということで、その月の売上高の流れから、当月の売上高着地を予測することが出来る。この売上高着地予測から判断して、必要があれば販促活動等の手を打たなくてはならない。

■Point3.前年比の推移を把握する

前年比の数値の把握は、同曜日での売上高前年比と累計での売上高前年比の把握がある。同曜日の把握は、曜日別の売上高数値を把握することに役に立ち、問題点の発見も曜日別に絞ることができる。累計の前年比は、店の力を判断するためのもので、人気のバロメーターとして捉えればよい。
累計で前年比が上がっていれば、店としては昨年より人気が高まったことになり、逆に、累計で前年比が下がっていれば、昨年より人気が落ちたと言うことである。この様に、各種マネジメントツールには、それぞれ「何のために」と言う目的がある。この目的を理解し、そして、各種マネジメントツールからの問題点発見と問題点の解決が出来るようになってくると、本当の意味でのマネジメントツールの活用になってくる。

週間仕入れ実績表
2つ目は、週間仕入れ実績表への挑戦である。
週間仕入れ実績表は、店舗での発注が正しく行われたかの確認をすることと、フードコストコントロールとしての役割がある。

【週間仕入れ実績表5つのポイント】
仕入れ実績表とは、毎日の仕入れ額を分類ごとに記入し、一日の仕入れ金額を算出しながら、その仕入れ額を一週間単位で合計するものである。また、仕入れ額の合計をその週間の売上高で割ることで、週間でのフードコストコントロールもある程度確認することが出来る。さらには、月末での仕入れ金額の算出という作業の簡略にもつながってくる。ここで、仕入れ実績表の5つのポイントについて説明する。

■Point1.毎日の売上実績を記入する。
先ほども言ったが、店長の仕事は売上高予測に対して、人と食材の準備をすることから仕事がスタートすると言うことは、売上高に対する食材の準備がどうであったのかを判断しなくてはならない。そのために必要になってくるのが、毎日の売上高実績の把握である。

■Point2.食材の分類
食材の分類とは、材料原価を管理するための手法である。重要なことは、食材を分類することによって各食材のロスの発見とロスの退治に結びつけることである。食材の分類はあまり多くなり過ぎても分かりづらくなるので、8~10分類ぐらいに分けて仕入れ額を記入すると、その後の分析と判断が容易に行える。

■Point3.一日の仕入れ金額の算出
一日の仕入れ金額を算出することで、正しく発注が行われたかの判断をする。正しいは発注とは、必要な食材が必要な時に必要な量だけ注文が出来ている状態である。食材が欠品したり、逆に多くの食材を抱えることで在庫が増え、品質までも落とすということを防ぐためである。

■Point4.分類毎の売上比率の算出
分類ごとに売上比率を算出することで、まずは大きく分類毎での食材のロスの発見が出来るようになってくる。大きなメニュー改定や、シーズンメニューの導入時期でない限り、この分類毎の売上比率は基本的に大きな変化がないものである。と言うことは、この数値に変化が出たときは要注意と言うことである。そんな問題点の発見がこの分類比から行えるのである。

■Point5.週間での仕入れの売上比率を算出する

週間単位での売上高と、週間単位での仕入れ金額の算出により、週間でのフードコストコントロールもある程度までは把握できる。仕入れとは、店舗の発注のことで、その発注が正しく行われていれば、仕入れ金額が売上高に対してある一定の数値になっていると言うことである。この数値に変化があった場合には、フードコストコントロールに対する具体的な取り組みが必要になってきたと言うことである。以上が、週間仕入れ実績表なるものである


店舗定員管理表
3つ目は、店舗定員管理表である。
この店舗定員管理表は、安定した店舗運営を行ってゆくためのもので、採用⇒教育⇒定着⇒戦力と言う店舗にとって一番重要な機能を確実にするためのものである。

【店舗定員管理表5つのポイント】
この店舗定員管理表は、時間帯毎の必要な定員数に対しての在籍数と、そして退職予定数から必要な採用数をはじき出し、安定した店舗運営を行うためのものである。
それではここで、5つのポイントについて説明する。

■Point1.定員数を明確にする
ここで言う定員数とは、3ヵ月後の定員数である。それは、採用から戦力までの期間からはじき出したものなので、店によっては2ヵ月後の定員数もありえる。ここで大切なことは、2ヵ月後・3ヵ月後の必要定員数を先ずは把握することである。

■Point2.在籍数を把握する
人の戦力は必ず数値で把握しなくてはならない。中には感覚で把握する人もいるようだが、確実な店舗運営を行ってゆくためには数値で把握しながら数値で手を打ってゆくことである。その一つが、月末段階での在籍人数の把握である。

■Point3.退職予定数を把握する
店舗運営が一番乱れるのは、社員であれPA(パート・アルバイト)であれ、その人達の突然の退社である。本来であれば、キチンとした退職のルールが決まっているはずである。突然の退社は別にして、退職予定を知ることは、その後の店の運営上は非常に大切なことである。辞めることを認めたくないと言う気持ちも理解できるが、PAの方はある一定の期間働く条件で来ている。そうとするならば、月毎の退職予定を知ることは、その後の活動をスムーズに行うためには必要になってくる。

■Point4.採用予定数を明確にする
定員数と在籍数、それに退職予定数が出てくると、2ヶ月間の採用必要数が明確になってくる。1ヶ月単位での活動もあるが、採用に関しては、2ヶ月サイクルで仕事を進めてゆくことで、より安定した店舗運営が可能となる。

■Point5.活動のツールを明確にする
採用数が決まったら、本格的なリクルート活動になってくるが、その前に、募集する時間帯毎に募集ツールを明確にしなくてはならない。これは、勿論効果的な募集活動をするためであり、安定した店舗運営を目指すためでもある。計画的に人を採用し、そして計画的に人を育成することで、店の組織化を進めてゆくのである。以上が、店舗定員管理表である。


電気・ガス・水道メーターチェック表
4つめは、電気・ガス・水道の公共料金を適正に使用するための各種メーターのチェック表である。このチェック表は、毎日の業務になるので開店前の作業に組み込むなどして習慣化しなくてならない。

【電気・ガス・水道メーターチェック表2つのポイント】
店舗経費の中では、フードコスト、レイバーコストに次いで大きな経費がこの電気・ガス・水道の公共料金である。その水道光熱費をコントロールするためのマネジメントツールのひとつが、メーターチェックと言う訳である。ここでのポイントは2つである。

■Point1.毎日の検針
大変面倒なことではあるが、電気・ガス・水道の異状を発見するためには毎日の検針が一番重要である。水道光熱費も他の取組みと同様、問題点の早期発見と、問題点の早期解決はなにより大切である。そんなに時間もかからないので、作業が習慣化すればお店の機能の一つとして定着してくる。

■Point2.1日の使用量を算出する

メーターチェック表は大変便利に出来ていて、一般的な日にちの入れ方とは逆をとっている。それは、引き算が簡単に出来るようにしてあるためである。だから、当日から前日のメーター数を引くことで簡単に1日の使用量を算出することができる。問題は、この表から異状値を発見し、そして電気・ガス・水道のムダ取りをすることである。   水道の漏水などもこのチェック表から問題点の発見ができる。この使用量をグラフにし、休憩室などに貼れば、働くみんなの問題意識も高まり、水道光熱費のコントロールでは、大変効果的な活動になってくる。


当たり前の活動に挑戦
フードコストをコントロールするためには、発注書や仕込み表、それにロス記録表、そして今回紹介した仕入れ実績表等がある。他にも、ポーション管理表や、温度チェック表等もフードコストコントロールのためのマネジメントツールと連動してくる。
次にレイバーコストをコントロールするためには、なんと言ってもワークスケジュール表(稼動計画書)が一番大切になってくるが、その他にもトレーニング計画書や戦力分析表、それに今回紹介した店舗定員管理表なども大切なマネジメントツールとなってくる。水道光熱費も同じである。水道光熱費をコントロールするためには、今回紹介したメーターチェックもあるが、その他にも、節水シールや節電シールも考え方によっては立派なマネジメントツールになってくる。
この様に、各種マネジメントツールにはそれぞれの使用目的があり、その目的に沿って活用してこそ成果が挙がるものである。中途半端な使い方や、途中でツールを何度も変えるようでは、なかなか成果に結び付かないものである。
大変なことへの挑戦であるが、その大変なことが当たり前に出来るようになってきたときに、店長としてのマネジメントに新たな世界が生まれてくる。
※各種マネジメントツールは近代食堂10月号をご参照ください。

以上

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