トップページがんばれ店長月刊近代食堂:第2回 スーパー店長達の一日を追う

第2回 スーパー店長達の一日を追う

いつの時代でも繁盛店はある
繁盛店の共通する点はただ一つ「お客様の満足」である。
お客様は、商品とサービス、そして店に感動し満足するから、また来てくれるのである。そのまた来てくれるお客様が増えるから、店が繁盛店となり、そして大繁盛店となってゆくのである。
基本は、お客様の満足そのものが店の販促になっていることである。
つまり、商品が販促であり、人が販促であり、そして店が販促になっていなくては繁盛店への道はないということである。
アイディアや時流、さらにはディスカウント等で一時の売上は取れても、そこには長期的なお客様の信頼を得るものは何も存在しないのである。
店の商売を確実なものにしてゆくためには、今来て頂いているお客様を満足させることしかないのである。
そのためには、常にお客様の声に耳を傾け、お客様の要望に合わせ、そしていつもお客様に応える姿勢でいなくてはならないのである。
つまり、お客様と共に歩むことである。
お客様の考えに尊敬を示せば、我々も必ずお客様から信頼を勝ち得ることができるのである。それが繁盛店への道である。
そのためには、何時も現状を振り返り、お客様を見続けることである。
具体的には、お客様の満足と、自分の仕事振りを振り返ることで、新たな発見と新たな取組みを探し出すことである。
つまりそのスタートは、自分の行動を見直すことで、繁盛店への道を目指すということである。
そこで今回は、スーパー店長達の一日の仕事を追うことにした。
いったい彼らは、どのような形で一日の仕事を進めているのか?
そして、あなたの一日は、いったいどのようになっているのか?
店長の仕事は、一日、一週間、そして一ヶ月サイクルが基本であるが、一日の積み上げが一週間になり、一週間の積み上げが一ヶ月になっている。
そうすると、スタートは一日になってくる。
一日を充実することが、一週間の充実につながり、一週間の充実が一ヶ月の充実になってくるのである。
一日を大切に考えることができなくて、一週間を語ることはできないのである。
先ずは一日の仕事を振り返り、一日を充実することからのスタートである。
そこで、彼らの一日と、あなたの一日を比較することで、今のあなたの行動パターンに於ける問題点を見つけ出し、その問題点を改善し、さらに新たな行動を規定することで、あなたの成長への新たな旅立ちを応援しようと考える。
詳しくは、事例等で自分自身の行動を振り返ってもらいたい。
そこで、ここでは各ステップの説明だけに留めておく。

Step1.先ずは自分自身の一日の行動パターンをできるだけ具体的に振り返ることである。
 
Step2.次に、自分の一日の行動パターンに於ける問題点を考え、その問題点を整理することである。
 
Step3.ここで、ようやく新たな一日の行動パターンを考え、今までの行動パターンを修正し追加(規定)することである。
 
Step4.ここからは、その規定した行動が日常的にできるようになるまで努力することである。
 
Step5.その行動が日常的に出来るようになった時に、大きな変化が生まれ、そして、大きな成長が生まれるのである。
以上が、成長への新たな旅立ちへの5Stepsである。

必ず自分の行動パターンがある
先ずは、自分自身の一日の行動を振り返ることから始めなくてはならない。
全員と言っていいほど、その店長にはその店長の基本行動パターンがある。
特に注意をした行動をとらない限り、その行動は殆ど毎日、同じ行動パターンで繰り返されているのである。
行動パターンには、良い行動パターンもあれば、勿論、悪い行動パターンもある。
当然であるが、良い行動パターンは良い成果につながり、悪い行動パターンは店を悪くしている。
そこで、良い行動パターンは、更に磨きをかけることでより良い成果に結び付け、悪い行動パターンは良い行動パターンに改めることにより、更なる成果を挙げてゆくのが、一日の行動を充実することになるのである。
この行動を変えることが難しいのであるが、難しいからこそ繁盛店への道が開けてくるのである。繁盛店の道は努力の道であり、自分の行動を変えるも努力の道である。
しかし、自分の行動を振り返り、そして自分の行動を変えることで、店は発展してゆくのである。
問題は面倒なことに挑戦し、その面倒なことが日常的にできるようになるまで努力しなくてはならないということである。
しかし、これは全てのことに通じることである。
仕事を投げ出さずに、最後まで挑戦することこそが、成長の道でもある。
例えば、成果の出ない店舗の共通した点に、毎年・毎月いろいろな課題を掲げては仕事に挑戦しているが、一つの課題を最後までやり遂げずに、また毎年・毎月新たな課題を掲げ、中途半端な状態を沢山築いていることがある。
これでは、店が良くなるはずはない。
店長の下で働く店の人達にとっても、店長のそんな行動のやりっぱなし、いいっぱなしでは、あきれるばかりで、やる気もなくなってしまう。
これも、悪い行動パターンの典型的な一つの例である。
中途半端な状態をいくら築いても、そこには何一つ進化の歴史はないのである。
こんな行動を改め、新たに規定した行動パターンを身に付けることこそが、スーパー店長へのスタートになってくるのである。
しかし、新たに規定した行動を途中で止めてしまえば、それはゼロになってしまうことをくれぐれも忘れてはならない。
最初は面倒なことであるが、面倒なことが何の苦労も無くできるようになって、初めて本物の行動になり、その行動が店の進化を生んでゆくのである。
そのスタートが、自己の行動パターンを客観的に知るための「自己行動分析」である。
ここで、ある店長にオープンからクローズまでの時間帯で、自分が注意して行動している点について記入してもらったものである。
勿論、オープンからクローズまで仕事をしているわけではない。これは、その時間帯に自分が勤務した時、注意して行動している点のことである。
ここから分かることは、普段の自分の行動パターンである。
当然であるが、良い部分もあり、不足点も必ず出てくる。しかし、問題はこれからである。それは、不足点を補ってゆくために新たな行動を規定し、その規定した行動に沿って自分の行動を変え、そして、その行動パターンをなんの苦労もせずにできる状態まで持ってゆくことである。
勿論最初は、簡単なことからのスタートでいい。
大切なことは、行動が継続し、特に注意を払わなくてもその行動が出来るようになることである。
例えば、
1) 出勤したら必ず駐車場を一周し、ゴミを拾いながら店に入る
2) 店の人達には必ず自分から挨拶をする
3) ピーク前には必ずトイレの点検をする
4) ピークの30分前には必ず出勤する
5) 自分の身だしなみは必ず店で一番にする
6) 前日の売上日報と連絡文は必ず確認する
7) 全員の出勤の確認を必ずする、といったことでいいのである。
大切なことは、「必ず」という継続行動である。
そんな小さな行動パターンの積み上げが、あなたとあなたの店を大きく成長へと導いてくれるのである。
勿論、どんなことでも努力は必要である。
成果には、必ず努力と忍耐力の関係がある。
それは、大きな挑戦には大きな努力と、大きな忍耐力が当然必要である。と言うことである。しかし、最初から大きなことに挑戦する必要はない。
必ず大きなことに挑戦できる日はやってくる。
それまでは、小さなことを継続して出来るようになるまで挑戦することである。
そんな小さなことへの継続が出来なくて、大きなことへの挑戦をしても、三日坊主が関の山である。
確実に成長をし続けてこそ、レッツ・チャレンジ スーパー店長への道である。

3人の店長の行動パターンを観察する
ここで3人の店長達の、出勤から勤務に就くまでの行動パターンを見てみる。
あなたにも、必ず出勤してから勤務するまでの行動パターンがあるはずである。
何度も言うが、良い行動パターンは磨きをかけ、悪き行動パターンは良い行動パターンに改めることである。
それでは、3人の店長達の足取りを確認してもらいたい。

加藤店長の場合
ピークの15分前に車で出勤し、慌てて店長室に入り、その場でユニホームに着替え、何の確認作業もしないで、急いでホールに出て勤務に就く。
ホールに出た後は、オーダーを取り、お冷を出し、会計をし、ご案内もするスーパー仕事振りである。
額に汗して働くことは我々の仕事にとって大変重要なことではあるが、額に汗したことで店長としての責任が果たされたわけではない。
店長の責任は、ご来店頂いた「全てのお客様の満足を得る」ことでしか責任を果たせないのである。
よく目配り、気配り、心配りがサービスでは重要だと言うが、店長として全てのお客様にそのことが出来る様になるためには、単に額に汗するだけでは出来ないことを理解しなくてはならない。

石橋店長の場合
ピークの30分前に車で出勤する。
駐車場を一周しながら、開店作業の掃除の状態を確認し、次に店舗に入り、ホールとキッチンの人達に挨拶をしながら店長室に入る。
そこで、先ず昨日の売上日報の確認と、連絡帳に目をやり、前日の営業状況の確認をする。ユニホームの着替えは、勿論みんなと同じ更衣室でする。
勤務に就く前に、今日のワークスケジュール(稼動計画書)を見ながら、全員の出勤の確認を取っている。
ここで、ピークのオペレーションに参加している。

鈴木店長(C)の場合
ピークの60分前に車で出勤する。
「おはようございます」

※店長室に入るまで
店に出勤したら、先ず周りをよく眺め、次に店舗の外装・ゴミ庫・植え込みなどをチェックし、最後に入り口周辺を確認してから店内に入っている。
店内に入ったら、客席・お手洗いをチェックし、次にキッチンエリア、そして、休憩室の状態を確認している。
勿論、働いている一人ひとりには必ず一声かけ、忘れずに挨拶はしている。
まだまだ店長室には、入らない。
店長室に入る前に、今日のワークスケジュール(稼動計画書)とスタンバイ表(仕込み表)を確認し、準備が万全であるかの最終チェックをしている。

※昨日のチェック
これでようやく、店長室に入る。
ここでは先ず、昨日の売上日報や業務報告に目を通し、異常が無かったのかの確認をしている。
緊急の場合は、当然その時点で連絡が入ってくる仕組になっている。ここでの異常とは、緊急でない場合のことである。
問題が無ければ、ピーク前にその他の店長としての仕事を片付けている。
もし問題があれば、そのことを先ずは片付けてしまっている。
店舗内組織での報告・連絡・相談を大切にしているのである。

※ピーク30分前
少なくともピーク30分前には、従業員全員の身だしなみのチェックをし、基準に合っているかの確認をしている。
この時には、仕事の対する目標やアドバイスも与えている。
ピーク前に今一度、店舗をチェックしている。
ただし、今度は逆に回っている。先ずは、キッチンラインの仕込みの状況と補充の確認をし、ピークに間に合うかのチェックをしている。洗い場の食器も同様で、全てが洗いあがっていて、必要な場所に補充できているかのチェックをしている。
問題が無ければ、客席の照明や空調、そしてお手洗いの状態をチェックしている。
最後に、駐車場と外装の確認をし、問題が無ければピークの最終準備に入っている。
開店前に出勤する日は、朝礼と接客用語の発声練習も行っている。
勿論、自分が出勤しない日も確実に出来るように、その日の時間帯責任者に、朝礼と接客用語の発声練習は義務付けている。

※ピークオペレーションに入る
これでようやく、ピークのオペレーションに入っている。
我々の商売は、限られた時間(ランチandディナー)に、いかにして多くのお客様に喜んで頂けるかが、店の業績を左右する。
そのピークオペレーションを成功させるためには、ピーク前の確認業務をしっかり行うことと併せて、ピーク中の店長の動きが重要になってくる。
一回・一回のピークオペレーションが勝負である。
どの一日として粗末な日など無い。こんな考えが店を繁盛店へと導くのである。
以上が3人の店長達の出勤から勤務に就くまでの様子である。
勿論、あなたにも出勤から勤務に就くまでの毎日の行動パターンがある。
この行動パターンを見直し、良い行動パターンを身に付けることが、あなたとあなたの店を成長へと導くのである。
今回の例では既にお分かりだとは思うが、勿論鈴木店長がベストに近い行動パターンを身に付けている。
しかし、まだまだ磨きは掛けられるはずである。
それが、成長への道なのである。
それでは、引き続き鈴木店長の仕事振りを観察してみる。
仕事とは、見て覚え、真似て覚えることである。

※ピークオペレーションでのスーパー店長振り
さてここまでくれば、ピークオペレーションである。
基本的にスーパー店長は、ピーク中ワーカーはしない。
スーパー店長の動きは、お客様の状態に対して、ホールとキッチンで働いている人達の仕事振りを確認しながら、適切な指示とフォローを行っている。
来店して頂いた全てのお客様の満足に対する責任を、働く全員の力を結集することで、自分の責任を全うしているのである。
だから、ワーカーは出来ないのである。ワーカーになってしまうと、全てのお客様への責任が果たせなくなってしまうからである。
勿論、お客様への挨拶とコミュニケーションは怠らない。
オペレーションで指揮を執ることで、お客様と働く人達の2つの喜びを勝ち取るのである。

※アイドルタイム
ピークが終了し、アイドルタイムに入ったら、今一度店の全てを確認し、問題が無ければ、応募者と面接をしたり、オリエンテーションをしたり、部下とのミーティングに時間を当てている。
時には、販促活動の一環として事業所や学校回りなどもする。
マネジャーミーティングやトレーナーミーティングは、計画的に月に2~3回は必ず実施している。
勿論、この時間を使って自らが行う部下のトレーニングも実施している。
アイドルタイムの最終は、ディナーピークへの準備である。
ランチピーク前同様、店の外から内まで全てをチェックする。
特に、夜の営業に入るため、店外の照明や庭園灯などの電球のチェックは怠ることはない。
さあー、全ての準備が整ったらディナーピークでのオペレーションである。

※クローズ作業
営業が落ち着いてきたら、閉店作業に入るが、お客様を全てに優先した業務になっているかの確認をする。
みんなが閉店業務に夢中になっていないかを確認し、必要があればその場で正している。閉店間際に来店したお客様には、温かいコーヒー等をサービスすることで、その日一日を良い思い出にしてもらう努力もしている。
最後に各担当者からの業務終了の報告を受けたら、自らが状態の確認を行い、仕事に対する評価とねぎらいを忘れずにしている。
特に夜勤務する人達には、なかなか毎日のコミュニケーションが取れない関係で、自分が勤務する時には必ず、みんなに対する気遣いを忘れることはない。
最後は、お客様が全員帰ったことを確認し、全ての出入り口の戸締りをし、最低でも2人以上で店を出る。
以上が鈴木店長の一日の行動である。
一切の妥協と手抜きのない一日であるが、これが日常的な行動として身に付いているところに、彼のスーパー店長としての凄さがあるのである。
実は、そんな鈴木店長でも、最初は小さな「店の人には自分から必ず挨拶をする」といったことからスタートしているのである。
そんな小さな新たな行動の規定の積み上げが、今の鈴木店長の行動パターンになっていったのである。

※店に来て開けて閉めるのが店長ではない
ただお店に来て、何も考えないで店を開けて閉めるだけが店長ではない。
あなたは、どうであろうか?
何も考えないで、一日を過ごしていないか?
これでは繁盛店にはなりようがない。
先ずは、自分の一日の行動を振り返り、そして、新たな一日の行動を規定することである。最初は大変面倒なことであるが、その面倒なことが日常的に出来るようになってきた時、あなたは大きな成長を遂げるであろう。
こんな行動が、スーパー店長へのスタートになってくるのである。

以上

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